今年度、自転公転式撹拌脱泡装置を大分県環境保全協力金により更新しました。この装置は、試料を自転させながら公転させることで、混ぜながら泡を抜くことが出来ます。この装置をより広くご理解いただきご活用いただくために、その基本原理や具体的な活用例を紹介する技術セミナーを令和5年12月14日(木)に開催しました。今回は、メーカー技術者と弊所職員が座学講師を務めました。メーカー講師として株式会社写真化学プロダクトカンパニー第一開発部統括である高岡文彦氏をお招きしました。弊所職員講師は、工業化学担当の柳が担当しました。セミナー内容は、60分の座学と70分の装置実演を実施し、8社・団体より14名が参加されました。
メーカー講師による座学では、①装置の技術説明②製品紹介③運転動作パターンなどの機能紹介④撹拌、脱泡事例について動画を交えてご説明頂きました。弊所職員講師からは、令和2~4年に弊所経常研究で実施した「セルロースナノファイバー(CNF)と水系高分子の複合化に関する研究」の一部であるセルロースナノファイバーとエマルジョンの配合を題材とした配合に関するノウハウ紹介を行いました。
装置見学(演示実験)では、株式会社写真化学プロダクトカンパニー営業部第一営業グループ二係係長である市川啓太氏より混合・撹拌・脱泡について以下の内容を実施しました。①二色の粘土の混合②エポキシ樹脂(液体)とセラミックス(粉体)の撹拌③シリコーンオイルの脱泡。予定30分の実演でしたが、参加者から実際の作業に関する質問や工程見直しに関する相談が寄せられ、予定時間を大幅に上回る内容の濃い装置見学となりました。
アンケートでは、「撹拌方式のそれぞれの特徴比較や、材料の入れ方による結果の違いなど実例としての結果等を用いてお話しいただきとてもイメージが湧いてよかった。」、「自転と公転では違いがあることや注意点などが分かった。」などの感想をいただき、おおむね好評でした。
自転公転式撹拌脱泡装置についてお知りになりたいことがあればお気軽にお問い合わせください。
(工業化学担当 柳 明洋、秋吉貴太)
座学の様子 自転公転式撹拌脱泡装置