当センターでは、県内における「無線を活用したセンシング」への関心の高まりを受け、技術講習会を8月5日に開催しました。受講受付を開始してすぐに定員に達するほどのお申込みを頂き、当日は県内製造事業者10社18名の方にご参加いただきました。
本講習会では、自動運転などで普及が進む「ミリ波レーダー」と、今後の社会実装が期待される「WiFiセンシング」をテーマに取り上げました。
ミリ波レーダーについては、長年にわたり先端研究に従事されている立命館大学准教授の佐保賢志氏を講師としてお迎えし、講義と計測デモを通して、原理や活用事例をご紹介いただきました。講義の冒頭では、まず基礎知識として、レーダーで計測できる内容や開発・活用時のポイントをご解説されました。続いて、医療・福祉、自動車分野を中心に、活用事例をご紹介いただきました。具体的には、「ベッド上での心拍計測・行動認識」「健康診断への応用」「死角からの飛び出し事前検出」など、最新の研究開発事例を含めた紹介が行われました。
WiFiセンシングについては、私が講師を務め、昨年度から進めてきた技術調査の内容をもとに、技術の概要や最新の動向をご紹介しました。概要では、特に注目されている点として、他の方式に比べて導入コストの削減が期待できるといったメリットについて触れました。技術動向に関しては、規格の策定状況や国内での開発事例を解説しました。講義の後半では、センシングデータをリアルタイムに可視化し、動きや呼吸を検知する実演を交えながら、レーダー講義と同様に、計測できる内容や開発・活用の際のポイントについても説明しました。
終了後のアンケートでは「今後の仕事に役立つ」「技術的なスキルアップにつながった」と参加者から好評を頂きました。今後も随時、個別に無線センシングに関する技術相談等を受け付けいたしますので、お気軽にご連絡ください。
(電子・情報担当 竹中 智哉 takenaka【@】oita-ri.jp)
ミリ波レーダー講義の様子
WiFiセンシングによるデータ可視化
&動き検知の実演
WiFiセンシングによる動き検知
&呼吸検知の実演